除草剤 抵抗性の 雑草あり

「植物の生長調節」51巻1号(2016年)が送られてきたので、目を通しました。
まずは、私が研究していた植物ホルモンのひとつであるアブシジン酸に関連した論文です。
ひとつはアブシジン酸(ABA)のアナローグに関するものでした。
もうひとつはABA受容体に関するものでした。
それから、「スーパー雑草の出現」という題名に惹かれて、その記事を読みました。
グリホサート系の除草剤に対する抵抗性雑草の出現に関するものです。
1974年、グリホサートが除草剤として商品化されてのち、雑草を効果的に駆除するので、多くの国々で利用されています。1996年には遺伝子組み換え技術により作出されたグリホサート耐性作物が栽培されるようになりました。
その後、2000年になると、グリホサート耐性作物畑で最初のグリホサート抵抗性雑草の出現が認められました。
現在では、27か国の34草種でグリホサート抵抗性生物型が報告されています。
日本では、グリホサート耐性遺伝子組み換え作物は実用栽培されていませんが、海外からの輸入飼料作物などに混入して、侵入していることが報告されています。
人間は最先端の科学技術として遺伝子組み換え型作物を作り出していますが、短期的には経済効果がありますが、長い目でみると、その意味を失うように思われます。
除草剤抵抗性の遺伝子組み換え型作物の作出よりも、生態系のバランスを利用した雑草との共存を目指した研究こそ、次世代を担うものであると思われます。
主に感謝します。