パウロはアテネを去ってコリントへ行きました。コリントは、当時の一大商業都市でした。経済的に繁栄していましたが、道徳的には腐敗していた町でした。当時のことを振り返って、パウロは「あなたがたと一緒にいたときの私は、弱く、恐れおののいていました。」(コリント人への手紙、第1、2章3節参照)と記しています。どういう理由かは不明ですが、信仰の勇者パウロでもやはり、恐れることはあることが分ります。そして、いつものことですが、神様は、わたしたちが弱く、恐れている時には、必要な助けを与えられます。アクラとその妻プリスキラがローマの町を追われて、コリントに来ていたのです。そして、なんと、パウロと同業の天幕づくりでした。それで、パウロはアクラとプリスキラ夫妻の家に住み、天幕づくりをしながら、ここで信仰の友、伝道の協力者を得たのです。さらに、マケドニアに留まっていたシラスとテモテもコリントにやってきました。こうして、弱く、恐れおののいていたパウロは、元気を回復していったに違いありません。シラスとテモテは、ピリピの教会をはじめとするマケドニアの諸教会から献金を携えてきたと思われます(ピリピ人への手紙、4章15節参照)。それで、パウロは、再び、みことばを教えることに専念することが出来たようです(使徒の働き18章5節)。しかし、ここでも、ユダヤ人たちは、福音を拒否しました。それで、パウロは、会堂の隣に住んでいたローマ人のテテオ・ユストという人に福音を伝えました。そして、隣の会堂の管理者のクリスポという人も一家をあげてイエス様を信じました。そして、多くのコリント人がイエス様を信じてバプテスマを受けました。こうなると、大きな反対運動が起こるのが常でしたが、今回は、1年半もの間、パウロは腰を据えて神の言葉を教え続けることが出来ました。それから、パウロは、ケンクレヤの港町からアクラ夫妻を伴って、シリヤ(パウロの母教会アンテオケ教会のある地域)に向かって出帆しました。そのとき、パウロは、あることで誓願を立てていたようで、それが成就したので髪を剃りました。(日本の風習とは逆のようですね。ユダヤ式では、誓願が成就するまでは髪を切らないというのが誓願のしるしであって、誓願が成就した時には髪を剃るということのようです)。パウロ一行は、対岸のアジアのエペソに着きました。エペソでは、教会の兄弟姉妹が長い滞在を希望しましたが、パウロは、「神のみこころなら、またあなたがたのところに帰ってきます」と言って、エペソを去り、カイザリヤに上陸して、エルサレムに上京して、諸教会に挨拶をしてから、アンテオケ教会に戻りました。
ところが、しばらくして、パウロは、ガラテヤ地方、フルギヤ地方をまわり、エペソへと向かいます。パウロの第3次伝道旅行の始まりです。一方、エペソでは、アポロという雄弁な伝道者が会堂にやって来てメッセージしました。それはバプテスマのヨハネの悔い改めのバプテスマに関するものでした。それを聞いていたプリスキラ夫妻は、アポロを自宅に招いて、パウロから教えられたとおり、イエスの十字架と復活について語り、イエスがキリストであることを証ししました。そして、アポロがアカヤへ渡りたいというのを聞いて、プリスキラ夫妻は、アカヤ州にあるコリントの教会に、アポロをうけいれてくれるように、紹介状を書きました。アポロはコリントに着くや否や、すでに恵みによって信者になっていた人たちをみことばをもって励ましました。また、聖書からイエスがキリストであることを雄弁に、力強く語り、ユダヤ人たちを論破しました。(のちに、パウロは、コリントの教会について、「私が植えて、アポロが水を注ぎました」(コリント第1の手紙、3章6節参照)と述べているほど、コリントの教会で良い働きをしたようです。
主なる神は、大きな御計画の中で、すべてのことを掌握されています。弱さも恐れもみな、御存じです。そして、必要な助けを与えて下さいます。主を賛美します。
清宣教師
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