レビ記12章では、出産した女性のきよめについて記されていました。13章では、ツァラアトの診断とそのきよめについて詳細が記されています。昔の訳ではライ病でしたが、修正版ではツァラアトというヘブル語の原語の発音に従いカタカナで記されるようになりました。それは、現代の医学のライ病とは異なるものだからです。13章の後半には、衣服のツァラアト、14章の後半には家のツァラアトのことが記されています。このことからも、いわゆるライ病(ハンセン氏病)とは全く異なり、何か伝染性のカビや細菌のことを意味しているようです。ただ、カビや細菌の名前を特定することが難しいので、ヘブル語の原語の音訳でツァラアトと記されています。
まず、からだのツァラアトについて記されています(1節~46節)。ツァラアトのようなものが皮膚に現われた場合は、大祭司アロンか、その子らの祭司のところに行って診断してもらうのです。祭司は、主から示されている診断基準に基づいて、診断を下しました。ツァラアトかどうか明確でない場合は、さらに、7日間の隔離期間を設けて、そのあと、診断しました。そして診断結果に基づいて、ある人をツァラアトであると診断したり、ある人をツァラアトではないと診断しました。その診断はとても慎重になされることが、分ります。ツァラアトであると診断された場合は、宿営の外に隔離されました(46節)。伝染性のカビや細菌であったからかも知れません。ただ、聖書の表現では、汚れていると記されていることから、宿営は聖なる民の住まいであり、宿営の真ん中には聖所があるので、汚れた者は宿営の外に住むことが命じられているのです。もちろん、清めの儀式もあり、祭司によってきよめられたとの宣告を受けるなら、清めの儀式のあと、宿営の中に戻ることが出来ました。
次に、衣服のツァラアトについて記されています(47節~f59節)。亜麻、羊毛の衣服や織物、編み物、皮、皮製品などに関するものです。原因はカビなどによると思われます。これらの記述を読むと、非常に清潔な生活が求められていたことがわかります。衛生的な健康管理が行き届いているようです。神の民は、汚れ(不健康なもの)との関わりを断つことが求められています。
私たちの場合、外出から帰ってきたら手を洗う、うがいをするなど、良く注意されることがあります。アダムとエバは、すべての生き物と、この地を管理する役割を与えられていました。つまり、この地(地球)を健全に保つ管理責任でした。私たち人間だけでなく、すべての生き物が伝染性の病気から守られるように配慮することも、その中に含まれていました。しかし、人類はその責任を忘れて(無視して?)、いま、残留農薬、公害問題、環境ホルモン、それに加えて放射性廃棄物などにより、全世界を汚染しています。レビ記13章では、宗教的な汚れについて記していると思われますが、この汚れを、現代に適用するなら、すべての生命に対する不健全さをもたらすものとして、すべてのいのちを脅かすものとしての汚れを意味するものと理解するなら、13章に記されているツァラアトのように、いち早くその兆候を調べて、さらに注意深く調べて、それが本当の汚れであるなら、その汚れが拡大することを阻止する大事な働きがある事を示唆していると思われます。
きょう、私たちの日常生活をおびやかす汚れを点検しましょう。そして、それを除去するために、適切な措置をとりましょう。主よ。識別力の賜物、知恵の賜物を与えて下さい。
清宣教師