1節~11節:主の約束の地に入った時、イスラエルの民がなすべき、正しい応答について記されています(1節)。約束の地で、最初の収穫物を得た時には、その初物のうち、いくらかを感謝の捧げ物として、主が定められた場所で、主が任命した祭司に対して、「私は、主が私たちに与えると先祖たちに誓われた地にはいりました。きょう、あなたの神、主に報告いたします。」と、ことばで報告し、そして、捧げ物を捧げるのです。祭司は、主の前に、その捧げ物を供えて、。「私の父は、さすらいのアラム人でしたが、わずかな人数を連れてエジプトに下り、そこに寄留しました。しかし、そこで、大きくて強い、人数の多い国民になりました。エジプト人は、私たちを虐待し、苦しめ、私たちに過酷な労働を課しました。私たちが、私たちの父祖の神、主に叫びますと、主は私たちの声を聞き、私たちの窮状と労苦と圧迫をご覧になりました。 そこで、主は力強い御手と、伸べられた腕と、恐ろしい力と、しるしと、上思議とをもって、私たちをエジプトから連れ出し、この所に導き入れ、乳と蜜の流れる地、この地を私たちに下さいました。今、ここに私は、主、あなたが私に与えられた地の産物の初物を持ってまいりました。」と、唱和するように命じられています。すでに主はこのことを御存じです。ですから、このことばは、主に報告する形をとっていますが、じつは、民たち自身がこのことを心の中にシッカリと覚えるためのものであることが分ります。感謝すべきことがある場合、ことばをもって正しく告白すべきことが求められています。そして、主を礼拝したならば、レビ人たちや在留異国人たちと共に喜ぶように命じられています。
私たちにとっての初穂の捧げ物とは何でしょうか? 週の初めの日は一週間の初穂です。新年礼拝は、新しい年の初穂です。そのほか、初月給などは、仕事の初めの初穂です。そのほか、考えてみると、いろいろな初穂の備えがあります。それらを感謝の告白と共に捧げることは、主が私たちに与えて下さる相続分に対する主への感謝の礼拝です。確かに、主は一匹の迷える羊であったわたしを見出し、導き、主の救いへと導いて下さいました。もろもろの敵の手から救い出し、緑の牧場へと導いて下さいました。緑の牧場で与えられた、もろもろの恵みの初物を主に捧げるのです。
12節~15節:約束の地で、主に対して、それから、レビ人、在留異国人、みなしご、やもめに対しても、なすべきすべてのことを成し遂げた後に、主の前に、報告し、主からの祝福を願うのです。
16節~19節:ここでは、再度、契約の更新がなされています。「きょう、あなたは、主が、あなたの神であり、あなたは、主の道に歩み、主のおきてと、命令と、定めとを守り、御声に聞き従うと断言した。きょう、主は、こう明言された。あなたに約束したとおり、あなたは主の宝の民であり、あなたが主のすべての命令を守るなら、主は、賛美と名声と栄光とを与えて、あなたを主が造られたすべての国々の上に高くあげる。そして、約束のとおり、あなたは、あなたの神、主の聖なる民となる。」主の宝の民となり、主の聖なる民となる特権にあずかるのです。
イスラエルの民が、どんなに素晴らしい特権に預かったのか、いま、私たちが客観的にみると、良くわかります。しかし、彼らは時間の流れの中で、主から離れて、堕落していきました。このことは、私たちに対する警告であり、反面教師でもあります。感謝のことばの告白と初物を捧げることを、いつのまにか、忙しさに紛れて、少しずつ、少しずつ、怠ってしまうのです。やがて、すっかり、離れてしまうのです。それは、主なる神との関係だけでなく、親子の関係、夫婦の関係などに関しても、通ずるところがあると思います。きょう、感謝のことばの告白、そして、感謝の初物をもって、主が喜ばれる関係を築くチャンスとしましょう。
清宣教師
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