1節~5節:1節には、夫が、妻のことが気に入らなくなった場合は、離婚状をその女に渡して彼女を家から去らせることができる、と記されています。しかし、これには、後日談があります。イエス様のもとへ、パリサイ人たちがやって来て、離婚について質問した時のことです。その状況が、マタイの福音書19章3節~9節に記されています。「パリサイ人たちがみもとにやって来て、イエスを試みて、こう言った。『何か理由があれば、妻を離別することは律法にかなっているでしょうか。イエスは答えて言われた。『創造者は、初めから人を男と女に造って、それゆえ、人はその父と母を離れて、その妻と結ばれ、ふたりの者が一心同体になるのだ。』と言われたのです。それを、あなたがたは読んだことがないのですか。それで、もはやふたりではなく、ひとりなのです。こういうわけで、人は、神が結び合わせたものを引き離してはなりません。彼らはイエスに言った。『では、モーセはなぜ、離婚状を渡して妻を離別せよ、と命じたのですか。』イエスは彼らに言われた。『モーセは、あなたがたの心がかたくななので、その妻を離別することをあなたがたに許したのです。しかし、初めからそうだったのではありません。まことに、あなたがたに告げます。だれでも、不貞のためでなくて、その妻を離別し、別の女を妻にする者は姦淫を犯すのです』。イエス様は、主が離婚状を定めた根底にあるのは、人間の頑なさであることが指摘されています。離婚はそもそも、創造主のご計画にはありませんでした。しかし、人間の頑なさが、離婚を要求するようになったのです。しかも、それは夫の側の一方的な申し渡しだけでした。妻の立場を著しく損なうものでした。そこで、離婚する場合には、正式に離婚状を書いて妻に渡して家を去らせるように命じられています。イエス様は、結婚は、そもそも、人類の祝福の土台として与えられたことを、創世記1章と2章の記述をもとに、明らかにしています。人は、神が結び合わせたものを引き離してはならないのです。「神が結び合わせた」というところに、結婚の土台があります。夫と妻の間は、アガペの愛の絆によって結び合わされているのです。一方で、夫婦関係は、教会とキリストの関係を示すものであるとも述べられています。現在、アメリカでは結婚したペアの半分が離婚すると言われています。日本では3分の1と言われています。ある意味、離婚が当たり前のように受け入れられていますが、離婚がもたらす影響については、無関心のように思われます。離婚が子供たちにもたらす影響は、はかりしれないほど、大きいのです。結婚したカップルが守られ、家族の絆が守られますように、お祈りします。また、新婚夫婦の場合は、その夫が1年間、兵役を免除されるという規定が付け加えられています(5節)。良き家庭が築かれるように、まわりの人たちの配慮も必要であることを示していると思われます。
6節~15節:「いのち」そのものを尊重するようにとの戒めが規定されています。ひき臼や上石は、日々の食事の準備に欠かせないものでした。また、着物は夜、眠るのに必要なものでした。このような日常生活に欠かせないものを担保に取ることは禁じられています。たとい、担保にとっても、日没までには返すように命じられています。また、担保を取る場合、勝手にその人の中に入って担保を取ることは禁じられており、借りた本人が、担保を持って外に出てくるのを待つのです。このように、借り手のいのちの尊厳を守るための配慮が随所に見られます。また、貧しく困窮している雇い人を虐げることなく、その日の賃金(日当)は、日が暮れる前に必ず支払うように命じています。
16節~22節:社会的に弱い立場にある、こどもたち、在留異国人、みなしご、そして、やもめの権利を損なうことがないように戒めています。具体的に、畑の穀物の刈取りの時に、取り残したものや、落穂などは、彼ら(在留異国人、みなしご、やもめ)に与えること、果樹を収獲する場合も、一度、収穫したあとの残りの果実は、彼らに与えることが定められています。
神から与えられた約束の地では、主からいただく恵みを社会的に弱い立場にある人たちと共有することが求められています。私たちも、祝福の中に置かれたなら、その祝福を自分だけで独り占めにするのではなく、社会的に弱い立場にある人と、その恵みを共有するように勧められています。私たちのまわりにも国際飢餓対策機構、小さないのちを守る会、BFPの里親制度など、恵みを共有するチャンスは備えられています。今月、神様からの祝福が豊かにありますように、また、その祝福を分かち合うチャンスが与えられますように。
清宣教師
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