いよいよ、サウル王は、ダビデを殺そうとする自分の思いを公けにしました。しかも、家来たちだけでなく、息子のヨナタンにも告げました。ヨナタンは、早速、ダビデに知らせました。同時に、ヨナタンは、ダビデのことをサウルに執り成しました。ダビデは、サウル王にとって非常な益をもたらしており、今まで、一度もサウル王に対して罪を犯していないこと、自分のいのちをかけて、サウルのために働いたこと、それをサウルは喜んでいたことを思い出させました。そして、罪のない者の血を流すようなことをしないように語りました。サウル王は、父親を愛し、罪を犯さないように気遣う息子ヨナタンの心に触れて、その理路整然としたアドバイスに耳を傾けました。そして、ヨナタンの執り成しは、聞き入れられ、サウル王は「主は生きておられる。あれ(ダビデ)は殺されることはない」とヨナタンに告げました。ヨナタンはそのことばを聞いて、早速ダビデに知らせ、ダビデは以前のようにサウル王に仕えることになりました。
その後、ペリシテ人との戦いが起こり、ダビデがまたまた大勝利をおさめました。そこで、あのサウルの心の奥底にあった妬みの炎が再び、燃え上がりました。サウル王は、槍をもってダビデを突き刺そうとしました。ある意味、心の中の戦いは、繰り返されるということです。創世記の4章で、主はカインに対して、「罪は戸口で待ち伏せして、あなたを恋い慕っている。だが、あなたは、それを治めるべきである」(創世記4章7節後半)と語りました。まさに、サウロは、この嫉妬心からくる殺意を治めるべきでしたが、そうはしませんでした。ダビデはただ、主の恵みによっていのちを助けられました。今度は、サウル王は、ダビデの家を見張らせ、朝になったら、ダビデを殺そうと考えました。しかし、その計画は、ダビデの妻のミカルに知られます。ミカルは、ダビデを愛していたので、ダビデの身を案じて、すぐにダビデに逃亡するように勧め、実際に実行しました。ダビデは、この妻のアドバイスにより、九死に一生を得ました。ダビデは行く所がなく、結局、自分に油を注いだサムエルのもとに逃れました。そこで、これまでのサウルの行動をみな、報告しました。これからの歩むべき道についてアドバイスをもらうためであると思われます。
さて、サウル王は、ダビデをとらえようとして、追っ手を差し向けますが、3度とも失敗します。最後には、サウルみずからサムエルのもとに向かいますが、これも失敗しました。サムエルは、武器を携えてはおりませんでしたが、不思議な方法で、主によって守られました。サウル王の家来たちも、サウル王自身も、主の霊が注がれることにより、もはや、この世のしがらみや憎しみなどによって支配されるところから解放されて、ただ、神の霊の働きに身をゆだねたのです。その結果、サウル王の家来たちも、そして、サウル自身も、ダビデやサムエルを殺すなどという思いは、心の中からなくなっていたのです。このような不思議な方法で、サムエルもダビデも、守られました。
さて、きょうの19章18節は、ダビデの生涯の大きな転換点になっています。つまり、19章18節から31章13節までは、放浪者、あるいは、逃亡者としてのダビデの人生が描かれています。振り返ってみると、サウルが、サムエルによって油注ぎを受けた時は、とても、臆病でしたが、好青年でした。しかし、王としての地位が確立するにつれて、自信をもつようになり、高慢になってしまいました。日本の豊臣秀吉なども典型的な例ですね。最初は、庶民的でしたが、太閤秀吉となると、暴君に化してしまいました。堺の町の人妻を手に入れるため、その妻の一族郎党を皆殺しにしました。そのほか、数多くの残虐非道な行いをしました。主によらずに、権力を手に入れると、暴君と化してしまいます。この反対の道を歩んだのが、新約聖書のサウルです。サウルは、エリート意識から解放されて、パウロになりました。パウロはあるがままの自分を受け入れて、自分は罪人のかしらであると宣言しました。そして、神の恵みにより使徒とされたという自覚をもって、使命を果たしました(ピリピ人への手紙、3章4節~14節参照)。
私たちも、高慢から解放されて、十字架のイエス様と共に死んだ者であることを告白し続けましょう。私たちは御霊によって新しく生かされた者であることを証ししましょう。
清宣教師
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