サウルの軍勢は、ペリシテ人に対して戦いを挑んだものの、装備においても、兵士の数においても、圧倒的に不利な状況にあり、ペリシテ人に対して手も足もでない状況が長く続きました。そのような状況の中で、王子のヨナタンが行動を起こしました。しかし、父のサウル王には知らせませんでした。おそらく、王に知らせたら、ストップがかかると考えたものと思われます。道具持ちの若者と相談し、主がペリシテ人を二人の手に渡してくださるかどうか、主に確かめることにしました。そして、ペリシテ人の前に姿を現しました。ペリシテ人の反応は、二人に「上って来い」というものでした。これは、主がペリシテ人を渡されるという、しるしであると信じて、二人はペリシテ人のいるところに上って行きました。すると、主は、ヨナタンと道具持ちのふたりによって、約20人を打ち殺されるように助けました。この出来事は、ペリシテ人たちの陣営全体に動揺をもたらす結果となりました。
一方、敵陣を見ていた見張りからの報告で、サウル王は、自分たちの陣営から誰か出て行った者があるかどうかを調べました。すると、王子のヨナタンと道具持ちの二人がいないことが判明しました。そこで、サウル王は、祭司のアヒアに対して、主のみこころを伺うように命じました。しかし、敵の陣営の騒動がひどくなるのを見て、主に伺うことを止めて、ペリシテ人の陣営へと急ぎました。そこでは、敵が同士討ちをして、大混乱に陥っていることが見て取れました。そこで、サウル王は敵陣に切り込んでいきました。その結果、ペリシテ人に捕えられていたへブル人たちも寝返って、サウルの側につきました。また、エフライムの山地で隠れていたイスラエル人も出てきて、ペリシテ人を打ちました。こうして、主はイスラエルを救われました。しかし、民たちは、サウルが「夕方、私が敵に復讐するまで、食物を食べる物は呪われる」という誓いによって、日中、必要な食事をすることが出来ませんでした。それを知らない王子ヨナタンは、森の中で蜜が滴っているのを見て、口に入れました。その日、イスラエルの民は、何も食べずに戦ったので、とても疲弊していました。それで、日が暮れるなり、つまり、サウルの誓いから解かれるや否や、羊や牛や家畜の分捕り物に飛びかかり、むさぼるように食べました。あまりにもお腹が空いていたので、いつものように、律法に従って血抜きをする間もなく、血のまま食べたのです。その報告を聞いたサウル王は、血のままたべることを禁じ、サウルの前で、動物をほうり、血抜きをして食べるように命じました。そして、主の祭壇を築きました。その後、異変が起こりました。サウルはペリシテ人を追うべきか否か、主にうかがったのです。しかし、主の答えがありませんでした。その原因を探ると、ヨナタンにあることが分りました。そこで、サウル王は、王子ヨナタンを処刑すると言い出しました。それに対して、民たちがみな、反対しました。ヨナタンこそ、主によって用いられて、大勝利をもたらしたひとだったからです。
きょうの個所で指摘されていることは、サウル王の不徹底さであると思われます。最初は主に伺うことにしたのですが、独断でやめて、敵陣に乗り込みました。日中の断食の誓いも独断で決めたようです。かえって、民たちに災いをもたらす結果となりました。自分の思い通りにいかないと、主が勝利をもたらす器として選ばれたヨナタンを処刑すると言い出しました。民たちがみな、それに反対すると、誓いを取り消しました。サウルの信仰の本質が見え隠れしています。主に求める信仰ではなく、自分勝手に決めて、それを主のみこころとして押し通そうという信仰であったように見えます。しかし、サウル王は、戦うことにおいては勇気があり、イスラエルのために、いのちをかけて、モアブ、アモン、エドム、ツィバ、ペリシテ人などの敵たちと戦いました。そして、アマレク人をも打ち破りました。イスラエルの敵に対して戦うことが、サウルが王としての使命であると認識していた事でした。しかし、主が求めておられた王としての使命は、イスラエルの国家が、主のみこころを求めて、諸国に対して、主の治世のすばらしさを示すことでした。その辺は理解していなかったようです。一方、のちに王となるダビデは、そのへんのことを良く理解していたように思われます。
私たちも、自分の狭い視野で、主のみこころを勝手に解釈しないで、神様に知恵を求める必要が在ります。クリスチャンにとって、真の力を得る道とは、主ご自身を深く、深く知ることです。あなたの真の力は、あなたが神を知覚することによって作りだされます。それが、神に生きる、という意味です。私たちの焦点は、私たちにとって神はどういうお方か、という点にあります。主を知ることをせつに追い求めましょう。
清宣教師
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