雅歌は、一人の男と一人の女の出会いから始まり、愛し合う仲になる。素晴らしいデートを続ける。結婚が近づくと、女性は結婚を控えて不安になり、眠れない夜をすごす。そして、結婚、初夜、新婚生活でのトラブル(夫の帰宅が遅いこと)。夫の帰宅が遅いので、新妻は、とうとう、ベッドに横になって待つ。しかし、帰りが遅い。眠ってはいても物音ひとつで目が覚める。そこに夫が外から帰って戸を叩く。しかし、新妻の複雑な感情が、戸を開けないで、夫を待たせておく。夫は待っても、なかなか戸が開かないので、素直になれない。もういい。新妻に鋭い言葉を浴びせて、去って行く。新妻は、しばらくすると、今度は不安が襲ってきて、いてもたってもいられず、夫を探しに町の中へでる。そこで警戒している夜回りに叩かれ、二重のショックを受けた。しかし、6章に入り、エルサレムの娘たちが一緒に探してくれるというので、気を取り直し、新妻の心の中に素直な気持ちが戻ってくる。そして、夫も素直な気持ちで、二人はもう一度、歩み寄る。最後の13節で、「帰れ。帰れ。」のコーラスが響く。「初めの愛に戻れ?」という意味も込められているようである。さて、こうして、7章に入りました。ここでは、仲直りした夫婦が、円熟した結婚生活に入る。
夫(1節―5節、6節―9節): 夫が新妻のからだをほめたたえるが、以前の4章でも、同じような個所があったが、そこでは、目、髪、歯、唇、頬、首、乳房、・・・上から下への描写であった。しかし、この7章では、逆に、足、もも(臀部)、へそ、秘められたところ、腹、乳房、首、目、鼻、頭と・・・・下から上への描写となっている。結婚前とは変わって、夫と妻が非常に親しい関係に入っている。着物をまとわなくても、お互いに裸でも恥ずかしいとは思わない。ここには、お互いに、自由な会話がある。
新妻(10節―13節):新妻も夫を受け入れる(10節)。そして、新妻が、夫を誘う。野に出て行って一晩を過ごしましょう。そして、朝早く起きて、一緒に、ザクロの花、春の季節を楽しみましょう。妻の方から夫との交わりを求めています(12節、13節)・・・・
今日の聖書箇所から教えられることは、すでに5章と6章で描写されていたように夫婦関係のもつれは、いつでも起こりうるものです。そして、今日の7章では、そのもつれを克服する夫婦の円熟した姿が描かれています。お互いの歩み寄りです。人間の愛は、不完全な愛です。神の愛こそ、絶対に変わらない、無条件の愛です。愛することが出来ないような状況でも愛してくださる。これが私たちの神、主の愛です。
清宣教師