2章1節の「大いに力を奮い立たせよ」とは皮肉のことばです。あれほどの権勢と凶暴さを誇ったものたちですが、いまは完全に弱体化して、敵から「大いに力を奮い立たせよ」とあざけられるほどになっていました。ニネベの町を攻略するために、主が遣わされたのは、赤い盾、緋色の服をまとった兵士たちでした(2章3節)。これはメディア、新バビロニア、スクテヤの連合軍を表しています。彼らの盾と軍服と戦車は赤色でした。緋色の服はメディア人の好みの服でした。槍は揺れ、戦車は通りを狂い走り(4節)、貴人たちも招集されますが、つまづくほど、混乱がひどく、敗色濃厚でした(5節)。そして、ついに、町々の門は開かれたのです(6節)。ニネベの町は、周囲を城壁で囲まれ、内側には農耕地があり、自給自足できる体制にありました。また、川や運河によってつながれていました。6節の「町々の門は開かれ」とは、その運河の水門のことを指していると思われます。ティグリス川、コセルやテビルなどの支流があり、ニネベには15の水門がありました。敵軍の侵入をふせぐために、水門を開いた結果、洪水による増水が町の城壁の一部を流し、敵の侵入口を作ってしまったようです。無敵を誇ったニネベは紀元前612年8月に陥落しました。8節~10節では、敗走に次ぐ、敗走で、すべての貢物などが奪われてしまう様子を描いています。11節~13節では、ニネベを百獣の王であるライオンに例えています。しかし、全能の神が宣言されます。「見よ。わたしはあなたに立ち向かう」ライオンであっても、主の裁きの前には無力です。このようにナホムは、主のことばを宣告しましたが、「預言とは前もって書かれた歴史である」と言われるように、後に、文字通り、この預言の通りに、ニネベは陥落しました。あまりにも、預言と実際の出来事が一致するので、後の歴史家は、ナホム書はニネベの町が陥落した後の時代に書かれたに違いないと主張するほどでした。
私たちがいま生きている時代は、もろもろの勢力によって翻弄されています。
しかし、主のみことばは確かです。主はすべてを見ておられ、公平な裁きをなされます。
私たちは、私たちが置かれた場所で、誠実に私たちのなすべきことを果たすのみです。
主は私たちと共におられます。主は私たちを通して、社会を祝福しようとして、それぞれの場におかれました。
聖霊様は、私たちのパートナーです。私たちを通して、事を成そうとされています。
あなたは世の光、地の塩です。
清宣教師