6章の記事、ソロモンが神殿の建設に着手したのは紀元前966年ごろのことと言われています。それから480年前に出エジプトがあったということですから、出エジプトは、今からおよそ3千5百年前の出来事と推測できます。
出エジプト以来、主の幕屋として呼ばれていた主の家が、ここで、初めて、「神殿」(12節)と呼ばれるようになります。その概略が2節~10節に記されています。その建設着手の後、主のおことばが、ソロモン王に与えられました(11節~13節)。「わたしはイスラエルの中に住み、わたしの民イスラエルを捨てることはしない」(13節)という確認の約束のことばをいただきました。しかし、この約束には、「主のみことばに従い、これによって歩むなら」という条件が付いていました。14節~38節までは、神殿内部の工事仕様が記されています。こうして、主の神殿は明細通りに完成しました。すべてが神の栄光を表す、純金や金で覆われていました。
これを建てるのに7年かかりました(38節)。ソロモンの神殿の構造に関心のある方は、教会の図書にある参考書(例:バイブルワールドなど)をご覧ください。
ところで、新約聖書の福音書では、イエス様はご自分の体を神殿に例えられました。その後の書簡では、キリストの体である神の教会が強調されています。また、ひとりひとりのクリスチャンが、聖霊が宿る神の宮として強調されています。
いつでも、どこでも、聖霊の交わりの中に置かれているのがクリスチャンです。いつでも、どこでも、父なる神様の愛に包まれているのがクリスチャンです。いつでも、どこでも御子イエス様の恵みの中に生かされているのがクリスチャンです。主日も、平日も、教会での礼拝時も、日常の生活時も、主と共に生かされています。雨の日も、風の日も、主が共にいてくださいます。それがクリスチャンの人生です。ありがとうございます。

余談ですが、1913年のきょう、4月29日にスウェーデンのギデオン・サドバックに、多目的ジッパー(ファスナー)の特許権が与えられました。ジッパーの最初の用例は雪靴でした。前にも述べましたが、ジッパーの原型は、真のデザイナーである創造主の作品にみられます。つまり、生物の設計図である、二本鎖DNAが、ジッパーを開けることでDNAを複製(コピー)し、両方の半分が再付着することで新しいDNA分子が出来上がるのです。21世紀に入り、多くの研究者が、自然界の生物(創造主の作品)に秘められたデザインやアイディアを参考にして、多くの新製品を作り出しています。これは「バイオミメティクス」と言われる学問分野です。日本語では「生物模倣技術」と訳されています。21世紀の先端技術として大きな発展をみせています。まさに、無限の英知を込めて作られた創造主の作品ですから、無限のアイディアとデザインの宝庫なのです。このことは、新約聖書のローマ人への手紙1章20節に記されているように、「神の永遠の力と神性は、世界が創造されたときから被造物を通して知られ、はっきりと認められる」のであって、私たち人間がその素晴らしさに気づくまで秘められていたのです。創造主は、私たちにその知恵を流用することを許されています。決して、人間の手で作り出したなどと主張することなく、謙虚になって、創造主に栄光をお返しするように、私たちは祈りましょう。
清宣教師