26章には、まず、偶像礼拝の禁止、安息日の順守などの規定が繰り返し、述べられています。それから、もし、あなたがたがわたしのおきてに従って歩み、私の命令を守り、それを行うなら、・・・・神の祝福の約束のことばが続いています。これは、当時の契約文書としてのスタイルにならったものでした。律法を守るなら祝福が、反対に、律法に背くなら呪いを与えられる、ということが記されています。
「あなたがたは自分のために偶像を造ってはならない。また自分のために刻んだ像や石の柱を立ててはならない。」(1節)。もともと偶像とは、自分のために造るものです。人々は神様のために偶像を造る、と考えますが、本質的には、自分のために造る物なのです。それは、創造主を礼拝することにはなりません。偶像を造らないことは、創造主を尊ぶことを意味します。創造を記念する安息日を守ることも、創造主なる神を尊ぶことを意味します。ですから、万物を創造された主なる神は、「わたしはその季節にしたがってあなたがたに雨を与え、地は産物を出し、畑の木々はその実を結び、あなたがたの麦打ちは、ぶどうの取り入れ時まで続き、ぶどうの取り入れ時は、種蒔きの時まで続く。あなたがたは満ち足りるまでパンを食べ、安らかにあなたがたの地に住む」と約束されるのです。さらに、地の平和、害獣からの守り、外敵からの守り、さらには、子孫の繁栄、生活の保証、住まいの保証、そして、決定的な保証として、「わたしはあなたがたの間を歩もう。わたしはあなたがたの神となり、あなたがたはわたしの民となる。」(12節)と約束されました。なぜなら、「わたしはあなたがたを、奴隷の身分から救い出すためにエジプトの地から連れ出したあなたがたの神、主である。わたしはあなたがたのくびきの横木を打ち砕き、あなたがたをまっすぐに立たせて歩かせた。」(13節)と言われます。
しかし、それにもかかわらず、民たちが主の律法に不従順であるなら、呪いと災いが、民たちの上に下るのです。誰でも、初めから神に反抗する者はいないと思われます。ところが、神の祝福を受けた人間は、次第次第に、自分の力で祝福を得たかのように錯覚して、積極的に律法を守るという姿勢を崩してしまいます。ところが、そのような状態がしばらく続くと、今度は、自分の力や判断力を過信するようになり、主の律法を拒否し、さらには、主の律法を忌み嫌うまでに、高慢になって行くのです。そこで、主がなされることが力による介入です。創造主に背を向けて自分勝手な生活をする人たちに対して、恐怖を臨ませ、心をすり減らさせ、さらには、生活が脅かされ、外敵によって打ち負かされるのです。それでも、頑なに、悔い改めないなら、「あなたがたの天を鉄のように、あなたがたの地を青銅のようにする」(19節)といわれます。それで、地は産物を生じることができなくなります。それでも、悔い改めて、主に立ち返ろうとしないなら、さらに、7倍も重い刑罰が下るのです。それでも、悔い改めることをしないで、反抗するなら、敵の剣が襲い、疫病が蔓延し、敵に占領されるようになるのです。それでも悔い改めて、主に立ち返ろうとしないなら、さらに7倍もの刑罰が襲うのです。町は敵によって囲まれ、甚だしい食糧不足により、あるいは、甚だしい飢饉により、自分たちの子どもの肉を食べるような悲惨な状況に陥るのです。そして、遂には、廃墟となり、聖所も荒れ果ててしまうのです。敵国の者ですら、この廃墟をみて、恐れに満たされるのです。民はみな、散らされて国を失い、敵の国々の中に住むようになるのです。こうして、イスラエルの民の相続の地は、強制的に神の安息の年を迎えるのです。「その地が荒れ果て、あなたがたが敵の国にいる間、そのとき、その地は休み、その安息の年を取り返す。地が荒れ果てている間中、地は、あなたがたがそこの住まいに住んでいたとき、安息の年に休まなかったその休みを取る。」(34節、35節)。
しかし、忘れてならないことは、これらの呪いと刑罰は、イスラエルの民を滅亡させるためではなく、あくまでもお灸をすえて、主に立ち返える機会を与えているのです。ですから、主はこのように言われています。「それにもかかわらず、彼らがその敵の国にいるときに、わたしは彼らを退けず、忌みきらって彼らを絶ち滅ぼさず、彼らとのわたしの契約を破ることはない。わたしは彼らの神、主である。わたしは彼らのために、彼らの先祖たちとの契約を思い起こそう。わたしは彼らを、異邦の民の目の前で、彼らの神となるために、エジプトの地から連れ出した。わたしは主である。」と言われるのです。
主は、民たちが律法を軽視し、無視する時に、ひとつひとつ、段階を経て、主の刑罰を与えられます。愛のムチですね。民たちがどんなに頑なになっても、主は語りかけられるのです。決して、見放してしまうことはないのです。それが、この契約です。この章の最後には、次のように記されています。「以上は、主がシナイ山でモーセを通して御自身とイスラエル人との間に立てられたおきてと定めとおしえである。」律法の根本は、罪に対する刑罰ではなく、揺るぎのない祝福の土台を明示しているのです。残念ながら、その祝福に与る時、いとも簡単に、人は高慢になり、自分勝手な道を進んでしまうのです。これは、私たちが肝に銘じるべきことです。レビ記26章に記されていることは預言的なことばでもあります、実は、このあとの民数記、士師記、サムエル記、列王記、歴代誌などにおいて、主のことばの通りに実現しているのを見ることが出来ます。主はみことばを通して語られますが、イスラエルの歴史を通しても語られるのです。
きょう、主よ、高慢の罪から私たちを救い出してください。自分の力を誇ろうとする利己的な欲望から解放して下さい。
清宣教師
アーカイブ
- 2024年5月 (13)
- 2024年4月 (27)
- 2024年3月 (37)
- 2024年2月 (30)
- 2024年1月 (29)
- 2023年12月 (34)
- 2023年11月 (30)
- 2023年10月 (34)
- 2023年9月 (30)
- 2023年8月 (31)
- 2023年7月 (29)
- 2023年6月 (30)
- 2023年5月 (34)
- 2023年4月 (31)
- 2023年3月 (37)
- 2023年2月 (30)
- 2023年1月 (24)
- 2022年12月 (37)
- 2022年11月 (49)
- 2022年10月 (20)
- 2022年9月 (32)
- 2022年8月 (32)
- 2022年7月 (33)
- 2022年6月 (30)
- 2022年5月 (35)
- 2022年4月 (32)
- 2022年3月 (34)
- 2022年2月 (29)
- 2022年1月 (30)
- 2021年12月 (32)
- 2021年11月 (40)
- 2021年10月 (31)
- 2021年9月 (17)
- 2021年8月 (33)
- 2021年7月 (36)
- 2021年6月 (30)
- 2021年5月 (33)
- 2021年4月 (16)
- 2021年3月 (40)
- 2021年2月 (21)
- 2021年1月 (54)
- 2020年12月 (44)
- 2020年11月 (31)
- 2020年10月 (29)
- 2020年9月 (34)
- 2020年8月 (69)
- 2020年7月 (57)
- 2020年6月 (63)
- 2020年5月 (55)
- 2020年4月 (77)
- 2020年3月 (59)
- 2020年2月 (62)
- 2020年1月 (65)
- 2019年12月 (62)
- 2019年11月 (61)
- 2019年10月 (409)
- 2019年9月 (1)
- 2019年8月 (2)
- 2019年5月 (2)
- 2019年2月 (1)
- 2019年1月 (5)
- 2018年10月 (64)
- 2018年9月 (27)
- 2018年8月 (26)
- 2018年7月 (6)
- 2018年5月 (1)
- 2018年4月 (41)
- 2018年3月 (94)
- 2018年2月 (26)
- 2018年1月 (59)
- 2017年12月 (86)
- 2017年11月 (5)
- 2017年10月 (92)
- 2017年9月 (70)
- 2017年8月 (58)
- 2017年7月 (61)
- 2017年6月 (64)
- 2017年5月 (62)
- 2017年4月 (65)
- 2017年3月 (52)
- 2017年2月 (47)
- 2017年1月 (48)
- 2016年12月 (50)
- 2016年11月 (54)
- 2016年10月 (76)
- 2016年9月 (9)
- 2016年8月 (46)
- 2016年7月 (53)
- 2016年6月 (51)
- 2016年5月 (42)
- 2016年4月 (47)
- 2016年3月 (64)
- 2016年2月 (52)
- 2016年1月 (49)
- 2015年12月 (51)
- 2015年11月 (44)
- 2015年10月 (57)
- 2015年9月 (53)
- 2015年8月 (45)
- 2015年7月 (56)
- 2015年6月 (50)
- 2015年5月 (50)
- 2015年4月 (51)
- 2015年3月 (56)
- 2015年2月 (51)
- 2015年1月 (42)
- 2014年12月 (24)
- 2014年11月 (21)
- 2014年10月 (24)
- 2014年9月 (18)
- 2014年8月 (36)
- 2014年7月 (23)