レハブアムが王となり、北イスラエルの反乱に対して、選抜戦闘員18万人を招集して、反乱を武力で抑えようとしますが、神の人(預言者)が、あなたがたの兄弟と闘ってはならない、また、反乱は主から出たことであると宣言しました。それで、彼らは行軍を中止して、引き返しました。南ユダ王国の人々の間には、まだ、主に対する従順の心が残っていたようです。
レハブアム王は、防備の町々を建て、南ユダの町々を強固にしました。一方で、北イスラエルからは、ヤロブアム王の政策により、レビ人や祭司たちが、主に仕える任務から追放されたので、南ユダ王国に逃れてきました。また、心から主への礼拝を望む者たちは、エルサレムの神の宮に礼拝のために出てきました。こうして、南ユダ王国はそれなりに充実していきました。
他方、レハブアムは子供たちの権力争いを避けるため、それぞれに町を割り当て、それぞれに治めさせました。「彼は賢く事を行い、・・」(23節)と記されています。どうやら、レハブアムは、北イスラエルの反乱に懲りて、へりくだり、南ユダ王国の平和のために専念したようです。こうして、レハブアム王の王位は確立していったのです(12章1節)。しかし、またまた、これがレハブアム王の自信となり、自分の業績を誇り、主に背を向けるようになるのです(12章1節参照)。
人は、いろいろな社会経験を積んで行く中で、まわりの評判で自分の価値を判断する姿勢が身についてしまうようです。あの「大切な君」に出てくるダメ印マークと星印マークです。それがくっつくのは、自分自身が、周りの人の評価を気にするからです。その中で最も陥りやすい罠は、「自分の価値」イコール「自分自身の働き」であるという固定観念を形成してしまうことです。こうなると、人から誉められると、それは「自分自身の働き」となってしまいます。成功は「自分の働き」の結果であり、神様に栄光を帰する余地がなくなってしまいます。こうして、心の中心は、神ご自身から次第に離れ、最後にはまったく離れてしまいます。
「まず、神の国と神の義をもとめなさい」という神様からの勧めは、このような罠から逃れさせてくださいます。創造主中心の世界観をもつことです。そうすることにより、「自分」を誇るのではなく、すべてを与えて下さった「創造主」に栄光をお返しすることができるようになります。
人の評価を気にする人は、人の評価のとおりの自分自身を演じるようになります。そして、自分自身の人生を売り渡してしまうことになります。それが偽善的な生き方です。私たちは、自分の存在の中心に至聖所があること、そこにはいつも聖なる神がおられることを覚えることが必要です。それが生ける主を礼拝する人生です。この世の業績第1主義の価値観はクリスチャンにとっての罠です。私たちの人生やいのちの価値を評価するのは、わたしたちの造り主、神ご自身です。
主は言われます。「あなたは、わたしの目には高価で尊い」
清宣教師
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