以前、ご紹介したことがありますが、「忙しい人を支える賢者の生活リズム」という本に、「詩篇を祈る」、という小見出しで次のようなことが記されていました。「詩篇もまた、祈りの型に関して多くのことを教えてくれます。聖書の他の書はおもに神のことばを私たちに伝えているのに対し、詩篇は私たちのことばを神に返す手本です。詩篇はイエスにとっても、またユダヤ人にとっても、祈りの書として用いられてきました。150篇ある詩篇は一語一句そのまま祈ることも、祈りのパターンとして自分のことばに置き換えて祈ることも出来ます。私たちが経験する、ありとあらゆる感情―喜び、感謝、フラストレーション、怒り、妬み、嘆き、罪悪感、赦し、信頼、希望―を詩篇は表現しています。私のメンターは、詩篇のことを『魂の浄化槽』と表現しました。私たちが持っているあらゆる感情を詩篇にぶつけることができ、その後いくぶん浄化されたように感じるからです。詩篇は、神に正直な言葉で表現することを教えてくれます。それは、関係を成長させるために必要不可欠なことです、。…私たちの悲しみや弱さ、怒りを表現すると、友情は深まります。心のうちにあることを祈るのは、祈りの出発点です。祈りは私たちの心を神と共有することであり、神も私たちの心に関心をもっておられます。」
今日の詩篇109篇は、まさにそのような詩篇の一つであると感じます。悪人への報復を願う祈りです。確かに私たちのうちにある願いを、この詩篇の作者が祈り求めているといえます。ただ、私たちの場合には、イエス様の教えから判断して、このようにお祈りして良いのかどうか、迷ってしまいます。まさに、悪に悪をもって報いず、侮辱に対して侮辱をもって報いず、敵を愛しなさいという教えがあるからです。しかし、この詩篇が、私たちの手に残されていることも意味があると信じます。それが、前述のメンターが語っている「魂の浄化槽」の役割ではないかと思われます。魂の願いが浄化されて、私たちの霊が、イエス様の教えに向かう余裕があたえられるように感じます。
さて、詩篇109篇は、4つの部分からなっています。1節―5節は、無慈悲な敵に対抗して助けを求める祈り。6節―20節は、敵の無慈悲な行為に報復を祈る。21節―25節は、助けを求める祈り。26節―31節は、主が貧しい者や弱い者の味方であることを確信し、感謝する。全体として、個人の嘆きの形式をとっています。しかし、30節に「多くの人々の真ん中で、賛美します」と記されているので、公けの信仰の告白の歌ともなっています。
私たちも、現実の人間関係の中で、侮辱や傷をうけます。そこに怒りや悲しみや嘆きが生じます。あるいは、それを制御できない罪悪感などが湧いてきます。しかし、詩篇を読むときに、共感があり、浄化があり、霊の原点に容易に戻ることが出来ます。主に委ねる決断が与えられます。きょうも、途方もなく偉大な創造主を礼拝しましょう。どこまで~~~も、どこまで~~も続く、太平洋の海原を想像しましょう。私たちの怒りや悲しみが深くても、私たちの涙がこの太平洋を満たすのはいつでしょうか? 決してありえないですね。しかし、全人類の頑なさを嘆くイエス様の涙は、この太平洋の海原も及ばないほどのものです。涙という表現を愛という表現に置き換えることも出来ます。キリストの苦難には、絶対的に不可能なものを可能にする神の神秘が含まれています。それは、絶対的な主権をもつ卓越した創造主、絶対に聖であり、義であり、すべての思いと動機と行動において完全であられる神の御子が、罪に汚れ、麻痺し、思いと行いと性格そのものによって、赦しと義なる行為を妨げている罪深い人間のために、みずから人間となられて贖いを成し遂げられるという神秘でした。そこには、途方もない苦悩、犠牲がありました。私たちはキリストにあって、イエスのように、愛のある者へと変えられるのです。
清宣教師
アーカイブ
- 2024年9月 (18)
- 2024年8月 (30)
- 2024年7月 (33)
- 2024年6月 (26)
- 2024年5月 (34)
- 2024年4月 (27)
- 2024年3月 (37)
- 2024年2月 (30)
- 2024年1月 (29)
- 2023年12月 (34)
- 2023年11月 (30)
- 2023年10月 (34)
- 2023年9月 (30)
- 2023年8月 (31)
- 2023年7月 (29)
- 2023年6月 (30)
- 2023年5月 (34)
- 2023年4月 (31)
- 2023年3月 (37)
- 2023年2月 (30)
- 2023年1月 (24)
- 2022年12月 (37)
- 2022年11月 (49)
- 2022年10月 (20)
- 2022年9月 (32)
- 2022年8月 (32)
- 2022年7月 (33)
- 2022年6月 (30)
- 2022年5月 (35)
- 2022年4月 (32)
- 2022年3月 (34)
- 2022年2月 (29)
- 2022年1月 (30)
- 2021年12月 (32)
- 2021年11月 (40)
- 2021年10月 (31)
- 2021年9月 (17)
- 2021年8月 (33)
- 2021年7月 (36)
- 2021年6月 (30)
- 2021年5月 (33)
- 2021年4月 (16)
- 2021年3月 (40)
- 2021年2月 (21)
- 2021年1月 (54)
- 2020年12月 (44)
- 2020年11月 (31)
- 2020年10月 (29)
- 2020年9月 (34)
- 2020年8月 (69)
- 2020年7月 (57)
- 2020年6月 (63)
- 2020年5月 (55)
- 2020年4月 (77)
- 2020年3月 (59)
- 2020年2月 (62)
- 2020年1月 (65)
- 2019年12月 (62)
- 2019年11月 (61)
- 2019年10月 (409)
- 2019年9月 (1)
- 2019年8月 (2)
- 2019年5月 (2)
- 2019年2月 (1)
- 2019年1月 (5)
- 2018年10月 (64)
- 2018年9月 (27)
- 2018年8月 (26)
- 2018年7月 (6)
- 2018年5月 (1)
- 2018年4月 (41)
- 2018年3月 (94)
- 2018年2月 (26)
- 2018年1月 (59)
- 2017年12月 (86)
- 2017年11月 (5)
- 2017年10月 (92)
- 2017年9月 (70)
- 2017年8月 (58)
- 2017年7月 (61)
- 2017年6月 (64)
- 2017年5月 (62)
- 2017年4月 (65)
- 2017年3月 (52)
- 2017年2月 (47)
- 2017年1月 (48)
- 2016年12月 (50)
- 2016年11月 (54)
- 2016年10月 (76)
- 2016年9月 (9)
- 2016年8月 (46)
- 2016年7月 (53)
- 2016年6月 (51)
- 2016年5月 (42)
- 2016年4月 (47)
- 2016年3月 (64)
- 2016年2月 (52)
- 2016年1月 (49)
- 2015年12月 (51)
- 2015年11月 (44)
- 2015年10月 (57)
- 2015年9月 (53)
- 2015年8月 (45)
- 2015年7月 (56)
- 2015年6月 (50)
- 2015年5月 (50)
- 2015年4月 (51)
- 2015年3月 (56)
- 2015年2月 (51)
- 2015年1月 (42)
- 2014年12月 (24)
- 2014年11月 (21)
- 2014年10月 (24)
- 2014年9月 (18)
- 2014年8月 (36)
- 2014年7月 (23)