この幻においては、すでにこの地はイスラエル人の所有として回復し、そこに統一された平和な王国が存在していました(37章22節、26節)。その王国の境界線は、47章13節~23節に記されていました。北の境界線は
オロンテス川の流域からダマスコに及び、東の境界線はダマスコあたりから南下しヨルダン川、死海を経て、タマルまで。南はタマルからメリバテ・カデシュ川(エジプト川)という小さな川を下って地中海に至り、西は地中海となっていました。48章1節~29節では、この境界線で囲まれた国土に12部族の相続地が割り当てられています。北から順にダン、アシェル、ナフタリ、マナセ、エフライム、ルベン、ユダと並び、その南側にはすでに45章で説明された祭司、レビ人、町、君主のための土地が割り当てられています。その中央の2万5千キュビト四方の正方形の土地がどの部族にも属さない、主への奉納地です。一番北側の部分が祭司のための奉納地で、神殿がその中にあります。その南はレビ人のための奉納地、一番南は、町の所有地となっています。君主の所有地は、奉納地の両側、西は地中海から東は死海までの部分となっています。この祭司、レビ人、町、君主のための特別区の南に、残りの部族のベニヤミン、シメオン、イッサカル、ゼブルン、ガドの相続地が割り当てられています。この割り当ての特徴についてみると、第1に、在留異国人がまったく平等に扱われています。第2に、ヨルダン川の東側のギルアデの地は割り当ての対象になっていません。第3に、出エジプトの時には自分たちで相続地を占領しなければなりませんでした。しかし、ここではすべて主からいただくことになっています。
30節~35節において、町の12の門が記されています。町には東西南北それぞれ3つずつ、全部で12の門があり、イスラエル12部族の名前が付けられています。この町は使徒ヨハネが黙示録21章でみた新しいエルサレムの光景とそっくりです。そして、預言者エゼキエルは全巻を閉じるにあたり、「その日からこの町の名は『主はここにおられる』と呼ばれる」という主の希望の約束で閉じています(エゼキエル書48章35節)。
主はご自分の民のために、それぞれの相続地を定めておられます。「あなたは終わりまで歩み、休みに入れ。あなたは時の終わりに、あなたの割り当ての地に立つ。」(ダニエル書12章13節)。私たちは、死後のことは安心して、いまこの地で、主から与えられている使命を全力でまっとうしましょう。
清宣教師