いよいよボアズが登場します。ボアズはナオミの夫の1族に属する有力な親戚の1人でした。それとは知らず、ルツが出かけていくと、1つの畑が目に留まりました。そこでは若い女たちが既に働いていました。ルツは心が惹かれて、その畑で刈り入れをする人たちの後について落ち穂を拾い集めました。聖書は、そこは「はからずも」ボアズの畑であった記しています。しかもその後「ちょうどその時」ボアズがベツレヘムからやってきたと記しています。ボアズは若い者に「あれは誰の娘か」と尋ねると若い者は答えました。「あれはナオミと一緒にモアブの地から戻ってきたモアブの女です」。さらに、若い者は「彼女は朝から落ち穂を拾い集めて一休みもせず今まで働きずくめでした」と言いました。7節に「家」で休みもせずと記されていますが、注解書によれば、この「家」は自分の家ではなく、畑にある「休憩小屋」のことであるとされています。つまりせっかく畑に設けられている休憩小屋で休みもせず、とにかく一生懸命、働いているルツの姿が、若い者にとっては強く印象に残ったようです。その報告を聞いたボアズは、ルツに語りかけました。「娘さん、よく聞きなさい。他の畑に落ち葉を拾いに行ってはいけません。ここから移ってもいけません。私の所の若い女たちのそばを離れず、ここにいなさい。しかも刈り取っている畑を見つけたら彼女たちの後についていきなさい。私は若い者たちにあなたの邪魔をしてはならない、と命じておきました。喉が乾いたら、水瓶のところに行って、若い者たちが汲んだ水を飲みなさい」。このようにボアズがルツに対して非常に親切に語りかけたので、ルツは驚いてボアズに尋ねました。「私はよそ者ですのに、どうしてこんなに親切にしてくださるんですか」。そこで、ボアズは、「あなたの夫が亡くなってからあなたが姑にしたこと、それに自分の父母や生まれ故郷を離れてこれまで知らなかった民のところに来たことについて、私は詳しく話を聞いています。あなたが頼りにしているイスラエルの神が豊かな報いを与えてくださるように」と言いました。さて食事の時が来ると、ボアズはルツを招き、ルツに十分な食物を与えました。それで、ルツはそれを充分食べて、あまりを残しておくほどでした。ボアズは、さらに若い者たちに「彼女には束の間でも落ち穂を拾い集めさせなさい。彼女のためには束からわざと穂を落として拾い集めさせなさい」と言いました。ルツは夕方まで畑で落ち穂を拾い集めましたが、集めたものを脱穀すると、大麦1エパほどになりました。大体、石油缶1つ位の分量になります。これは落穂ひろいとしてはありえない分量でした。彼女はその大麦を背負って帰り、姑のナオミに見せました。あまりにも多くの収穫量でしたからナオミはルツに尋ねました。「今日、どこで落ち穂を拾い集めたのですか」。そこで、ルツがナオミに「今日、私はボアズと言う名の人のところで働きました」と答えました。そこでナオミは嫁のルツに言いました。「生きている者(ナオミとルツ)にも死んだ者(夫エリメレクと2人の息子たち)にも恵みを惜しまない主が、その方を祝福されますように」。ルツはさらに、その方は「私の所の刈り入れが全部終わるまで、うちの若い者たちのそばについていきなさい」と言われたことを報告しました。こうして、ルツはボアズの畑で、大麦の借り入れの時(4月中旬~5月中旬)から小麦の借り入れの時(5月中旬~6月中旬)まで、ほぼ2か月間、大麦や小麦の落穂を拾い集めることが出来ました。こうして、ルツは、姑のナオミの生活を充分、支えることが出来ました。ところで、「人生は出会いで決まる」と言う格言があります。まさに、ルツはボアズとの出会いによって一生が変わりました。私たちも、また救い主イエス様との出会いによって人生が変わりました。それは、今日の聖書に記されているように、「はからずも」、「ちょうどその時」という言葉の通りでした。主は私たちの人生において大事な人との必要な出会いを与えてくださるお方です。主に感謝します。清宣教師
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