ダビデからソロモンへ、ソロモンからレハブアムへ。そして、あっけなく、イスラエル王国は分裂し、北のイスラエル王国(10部族)と南ユダ王国(2部族)に別れました。北王国はヤロブアム王の治世のもと、主なる神への礼拝は、べテルとダンにおける金の仔牛の偶像礼拝へと変質しました。その後は、謀反により王朝がコロコロ変わるようになり、王朝が変わるたびに、どんどん、主への反逆の罪が大きくなるばかりでした。ヤロブアムからナダブ、続いて、バシャ、エラ、ジムリ、オムリ、そしてついに、今日の個所、16章29節に記されていますが、イスラエルの歴史上、最悪の王アハブが登場します。その妻はイゼベルでした(16章30節、31節~33節)。
私たちはダビデの苦労、それに続くソロモンの繁栄を知っています。しかし、崩壊するのはなんと早いことでしょう。私たちも何を子供たちに残すのか、財産はあっという間になくなるのが分ります。信仰生活といっても、形式的なものであれば、あっという間になくなってしまいます。どうしたら、子々孫々まで、永遠のいのちに生きる福音を継承できるのでしょうか。
ところで、不思議なことがあります。このイスラエルの最悪の王アハブと王妃イゼベルが治める時代に、主はエリヤという偉大な預言者を登場させるのです。明日の17章ですが、何の前触れもなく、突如として預言者エリヤが現われます(17章1節)。主は最悪の時代、霊的暗黒時代において、最大の預言者を遣わしてくださいました。まさに、「起きよ。輝け。まことに、あなたの光が来る。主の栄光があなたの上に輝く。見よ、闇が地をおおっている。暗黒が諸国の民を。しかし、あなたの上には主が輝き、主の栄光があなたの上に現れる。」(イザヤ書60章1節~2節)と記されているとおりです。
いま、私たちが直面している新型コロナの影響で全世界が暗闇に覆われています。このような状況下で、私たちが創造主を愛し、創造主に信頼する信仰を、子供たちに継承することが、ますます、求められています。ところが、それとは裏腹に、クリスチャンの子どもたちへの信仰の継承が途絶えようとしているのが、日本の教会の現状です。そのような深刻な現状を打開するために、仙台バプテスト神学校では、新しい神学教育の方法を取り入れました。CBTE(教会主体の神学教育)と言われるものです。最近、仙台バプテスト神学校の前校長である、森谷正志先生が、「教会・神学校に迫られるパラダイムの転換」という新刊(2021年4月20日発行)を出版されました。その全編を流れているのが、「私たちは神の家族のいのちの交わりの中で知恵深く共に建てあげられ、クリスチャン人生の方向性を明確に描きながら次世代へとつながる家族の建て上げを実現していく」という深い愛と情熱です。聖書の基本原則を習得し、健全な教会を建て上げ、100年、200年と信仰を継承する教会を建てあげるための秘訣が記されています。
例えば、こう記されています。「福音を受け入れる主体的な状況は第1世代のクリスチャンと第2世代の子どもたちとでは全く異なるということです」・・・「第2世代の子どもたちが明確に確信し、揺るぎないクリスチャン人生を送るために、まず、第1世代の私たちが生涯にわたるクリスチャン人生の建て上げについて聖書の意図を明確に理解していること、健全な教えに基づいて知恵深く生きていることが前提になります。」・・・。
この本は、10章までありますが、私は、3章まで読み進めたところです。とても大事な学びと受け止めています。ですから、新型コロナの影響が一段落したら、ぜひ、皆様と共に学ぶ機会が与えられるように願っています。
清宣教師