イスラエルの北隣にあるアラムとイスラエルの両国は、隣国同士で、平和な時もありましたが、敵対する時もありました。22章1節では、両国が3年間、戦いが無かったことを記しています。そのような状況の中で、南ユダ王国のヨシャパテ王が、北イスラエルを訪問しました。南ユダと北イスラエルは、それこそ、敵対関係が長く続いておりましたが、もともとは、ひとつの民族、ひとつの国家でした。南ユダのヨシャパテ王は、主に対する真摯な信仰者として有名でした。その王が、偶像礼拝に満ちており、イスラエルの歴史の中でも最悪の王と友好関係を結ぶことは、釣り合わないくびきを共にすることでした。では、なぜ、ヨシャパテ王があえて、北イスラエルを訪問しているのか、考えられる理由は、やはり、信仰者としての証しにあったと推測されます。少しでも、交わりを通して、主への信仰を分かち合いたいとの願いがあったものと思われます。北イスラエルのアハブ王は、南ユダのヨシャパテ王の来訪を、ひとつのチャンスとして、共同で、アラムのラモテ・ギレアデと戦い、そこを占領したいという提案をしました。それで、ヨシャパテ王は、「私とあなたとは同じようなもの、私の民とあなたの民、私の馬とあなたの馬も同じようなものです。」と即答しました。協力するという返事です。そのことを通して、北イスラエルと南ユダの関係を修復することが主のみこころであると信じていたのだと思われます。
次にヨシャパテが取った行動は、預言者に、主のみこころを求めることでした。アハブは、早速、おかかえの預言者たちを集めました。その数は400人でした。みな、「主はこう仰せられます」といって、主の名を用いて、イスラエルの勝利を預言しました。そういう意味では、主の預言者でした。しかし、その中身は、宮廷お抱えの預言者であり、王の発言を、主の御名によって権威づける働きをしているものたちでした。400人という、その数も、王の発言の権威をたかめるために大きな力を発揮したようです。しかし、ヨシャパテは、これまでの経験から、直感的に、疑いをもったようです。「ここには、私たちがみこころを求めることのできる主の預言者がほかにいないのですか」と尋ねました。そして、預言者ミカヤが王たちのところに連れて来られました。ミカヤは、全イスラエルが敗北して、指導者である王を失い、民たちが散らされて、それぞれ、自分たちの家に帰る光景を預言しました。預言者ミカヤから、偽の預言をしたと指摘されたゼデキヤを筆頭とする偽預言者たちは、激怒しました。アハブ王も、ミカヤを捕えて、監禁するように命じました。アハブ王は、ミカヤを殺すことは主を恐れて出来なかったようです。さて、アハブは変装して戦車に乗り込み、ヨシャパテは、イスラエルの王に扮して戦車に乗り込みました。しかし、その偽装もすぐに敵に見抜かれてしまいました。また、アハブは、敵の矢で胸を射抜かれて、ついに死亡しました。民たちはそれぞれの家々に帰って行きました。アハブの戦車がサマリヤについて、その戦車を洗った時、イヌがアハブの血をなめました。また、遊女たちがそこで身を洗いました。まさに、エリヤの預言(21章19節)の通りでした。
今日の個所から教えられることは、良きクリスチャンが、不信仰な友達に証しをしたいと思って、交わりを共にすることがあります。ただし、その願いは良いものであっても、一緒に行動すると、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうことがあります。私たちは、あらかじめ、信仰の友達に祈ってもらい、主の守りを求めつつ、実行するというような霊的な準備が必要です。ヨシャパテは、せっかく、預言者ミカヤが召されて、主の預言を聞いたのですが、あらかじめ、アハブに対して、協力を申し出ていたので、退くに退けなくなってしまいました。しかし、主はすべてを御存じなので、ヨシャパテを戦場から助け出してくださいました。未信者の友達に対して証しをしたいと思っても、どこまで、行動を共にするのか、あらかじめ、祈って備える必要があります。ドラッグや、性的な交わり、金銭の貸し借り、不正などに対して、バウンダリーが必要です。しかし、どんな時にも、主が共にいてくださいます。間違ったと思った瞬間があったら、即座に、主に叫び求めましょう。主は助けて下さいます。清宣教師
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