この詩篇は、ヨシャパテ王の時代(歴代誌、第2,20章)あるいはウジヤ王の時代(歴代誌、第2、26章6節―8節)の出来事が背景にあると考えられています。5節は、2節を説明するものですが、6節―8節にあるように、イスラエルは周囲を敵の同盟軍によって包囲されてしまったのです。「ドム」南東、「イシュマエル」はエジプトからペルシャ湾の地域、「モアブ」は死海の東、「ハガル」はギルアデの東、「ゲバル」は死海の南、「アモン」はヨルダンの東、「アマレク」は南の砂漠、「ツロ」は北、「ペリシテ」は西、それに遠くから「アッシリア」も加わっているという四面楚歌の状況でした。『ロトの子ら』とは、モアブとアモンのことですから、彼らが同盟軍の指揮をとっていたとも考えられます。このような四面楚歌の状態の中で、9節―12節に記されているように、かつて、主がイスラエルの敵であるミデヤン、シセラ、ヤビン、ゼバフ、ツァルムナなどの敵を滅ぼしてくださった(士師記4章―8章参照)ように、これらの敵がみずからを恥じ、神の御名をおそれて、悔い改め、神に立ち返るように、そして、背き続ける敵が主の裁きを受けることにより、彼らが主の主権を認めるように、また、主を恐れる者たちも、敵に下される主の力と栄光を認めて賛美するようにと勧めています(13節―18節)。今も、まさに、「さあ、彼らの国を消し去って、イスラエルの名がもはや覚えられないようにしよう。」という叫びがあります。イランの指導者が、イスラエルの国を地球上から抹殺し、世界地図から消し去ろうと、大衆の前で演説している現実があります。現代のイスラエルを取り囲むアラブ諸国の態度は、この詩篇に登場する国々と変わりがありません。私たちは、イスラエルのために祈ります。それはアラブの国の人たちのための平和のための祈りともなります。背後にあるサタンの偽りの戦略が、アラブとイスラエルの激しい対立を煽っています。イスラエルの平和のために祈りましょう。
今日の聖書箇所から教えられることは、サタンは、ただ、神の民であるという理由で、攻撃の手をゆるめません。私たちクリスチャンも、神の所有の民です。お互いに、守られますように、お祈りしましょう。運転する人は、あわてずに、運転しましょう。仕事をしている人は、祈りつつ、落ち着いて仕事をしましょう。また、サタンは「神の牧場をわれわれのものとしよう」と言っています(12節)。私たちの家庭や教会が守られるように、目を覚まして祈りましょう。清宣教師